B1X でディープウォーターソロを撮影 | Profoto (JP)

B1X でディープウォーターソロを撮影

03 7月, 2017

執筆者:: Seth Chandler

Profotoは、フォトグラファーのTim Kempleに、B1Xを使ったテスト撮影を依頼しました。撮影場所や撮影方法の決定は、Timに任せます。彼が選んだのはスペインのマヨルカ島でのディープウォーターソロ撮影でした。ディープウォーターソロとは、ロープを使わずに海を下にしてクライミングを行うことです。 「落ちたら海の中へ一直線ということです」

長年、Timは世界中を飛び回る撮影旅行でB1を使用してきました。「撮影時には、コンパクトなボディに秘められた出力を組み合わせ、今までは使えなかった場所でもストロボを使うことができました」

今回の撮影では、自らもクライミングする方法を選びました。彼のフォトグラファーとしてのキャリアはそこから始まったからです。「私は常に新しいことに挑戦していくタイプです。このプロジェクトでは、過去の作品をもう一度振り返り、それをまったく新しい構図で撮り直そうと思ったのです」

ディープウォーターソロは極端な撮影ターゲットに見えるかもしれませんが、Timは誰も行こうとしない場所で撮影するフォトグラファーとして認知されています。「どこかで見たことのあるような写真を撮影するのは簡単ですが、同じ被写体を誰でも撮ったことのある構図で撮影してもつまらないでしょう。 自らの情熱を捧げ、自分だけのやり方で人を感動させるんです。誰もやったことのない構図を見つけ、未来を定めます。過去の焼き直しなんて面白くありません」

地べたを這いつくばってでも理想の写真を撮る不屈の意志

プロクライマーのEdu MarinとLindsey Tjian、それに腕利きのアシスタントを集め、撮影の準備を整えました。ところが、撮影の1週間前、氷河の上で転倒し、かかとを骨折してしまいました。しかし、彼はそんな逆境を物ともしませんでした。「地べたを這いつくばってでも理想の写真を撮る不屈の意志があれば、それに見合う価値があります」

撮影の照明は、 B1X Location (2灯) キットのほか、B1Xヘッド、バッテリー、世界初のロケーション撮影専用の新しいOCF ライトシェーピングツールをそれぞれ2個ずつ使用するだけのシンプルな構成でした。OCF ズームリフレクターを利用すると出力をさらに増長させることができます。OCF マグナムリフレクターは、出力を2 f-stop分追加するので、とりわけ明るい日中の撮影で役立ちます。

太陽光を上回る高出力

撮影は、ディープウォーターソロ発祥の地、ディアブロの絶壁から始まりました。風と陽射しが強く、壁は少し湿っており、かかとの骨折は治療中 - 完璧とは程遠い撮影条件でした。

最初の撮影では、Eduにストロボでスポットライトを当て、太陽の周辺光を落とすことで、TimはEduを際立たせることを狙いました。そこで、B1Xをキーライトとして頭上から直接照射し、太陽光をフィルライトとして使いました。

そのため、B1XのHSS機能を使用し、1/2500秒で撮影しました。「高速シャッター速度により、絶壁に直接当たる太陽光を打ち消すことができました。B1Xを最大出力に設定し、光のf-stopを追加するためにOCF ズームリフレクターを使用することで、太陽光を上回る出力を得ることができたのです」

ナチュラルな光

次の撮影では、30 km離れたカラ・サナウと呼ばれる小さな浜辺まで移動しました。ここは彼のマヨルカ島でのお気に入りの撮影スポットです。風が絶壁を濡らしているため、クライマーが海中に落ちたら危険な状況を作り出していました。

カラ・サナウでの最初の撮影では、Timはラペリングで絶壁を降り、できるだけEduに近づきました。焦点距離14 mmの広角撮影で動く被写体に近づき、一方で周りの景色も捉えました。「岩石や荒波の色と質感を再現できないと、この写真の臨場感は台無しになります」とTimは言います。

その間、アシスタントは洞穴の反対側にぶら下がり、B1X とOCF マグナムリフレクターを構えました。今度は太陽光を再現し、B1Xを使用してEduの顔と体をナチュラルに強調することを狙いました。

ライトとリフレクターを併用することで、Timは出力の絞りを2つ追加し、明るい周辺光を上回ることができました。

リムライトとしてのB1X

Lindseyの撮影のため海岸線を下って別の窪みへ移動し、Timはリッジに腰掛けて撮影を開始しました。アシスタントは洞窟の奥深くまで入り、Lindseyの周囲にリムライトを作り出しました。ここでは、通常は光が届かない場所にストロボを設置することを狙いました。

この写真をバッグにしまい、Timは痛むかかとや諸々の条件を受け入れながら、自らも軽めのディープウォーターソロに挑戦し、少し近くまで移動しました。ここでは、オーバーハングをよじ登るLindseyの顔を撮影するため、アシスタントに彼女の頭上からB1Xで光を照射させました。「プロのアスリートを使ったロケーション撮影は、いつもエキサイティングです。彼らのコンフォートゾーンを外れてもらい、時には少しやりすぎてしまうこともありますが」

Lindseyは水しぶきを上げて海中に落下しましたが、Timが安否を尋ねる前に、彼女はよじ登って元の位置に戻りました。「これが今日最高のベストショットです」

本日最後の1枚

撮影も終盤に近づき、日も沈み始めたところで、Timと撮影チームは以前撮影したことのある洞窟へ帰ってきました。「フォトグラファーの考えることは皆同じで、常に最高の写真を撮ることだけなのです。ですから、時間さえあればここに戻って撮影したいと当初から考えていました」

撮影条件は最高でした。雲がなだれ込み、この光景に威圧感を与えてくれます。「周辺光が少ないので、Eduと洞穴にストロボで光を当て、光と影の面積を増やすことで、コントラストをつけて演出を加えることができます。このシーンではストロボの光を強くしたくないので、B1Xの設定を低出力にしました。9 f-stopとHSSのおかげでこのような演出ができます」

「B1Xがすべて補填してくれました」

さて、松葉杖をついて歩き回り、カメラが海中に沈むアクシデントもありながら、Timに1日の撮影を振り返って感想を聞いてみました。 「洞穴の真下から絶壁の真上まで様々な場所から撮影しました。身体は悲鳴を上げ、機材を失うアクシデントもありましたが、B1Xがすべて補填してくれました。身体中が興奮しています。今日は最高の撮影ができました」

執筆者:: Seth Chandler

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