ラグジュアリーブランドである Koenigsegg (ケーニグセグ)が、新型ハイパーカーの派手で綺麗なプレスイメージの撮影を考えたとき、たった一人のフォトグラファーの名前が浮かびました - 北欧出身のフォトグラファー Oskar Bakke に、明るく鮮やかでシンプルなイメージの撮影を依頼しました。にもかかわらず、Oskar は暗い格納庫に送り込まれました。Oskar Bakke が Profoto B1 と Sony α7R II を使用して、このチャレンジをどのように克服したのかご覧ください。
車好きでトラベルフォトグラファーでもある Oskar Bakke の写真を見ていると、どこまでも続く夏の日の太陽を見つめているような気分になります。北欧の光とシンプルさを表現したような、明るくて鮮やかな写真を撮ることで知られる Oskar は、高級車やレーシングカーの撮影で名を馳せています。
ミッション
スウェーデンの高級車ブランド Koenigsegg(ケーニグセグ)は、Geneva Motor Show 2017(ジュネーブモーターショー2017)の注目を集めるプレスイベントで見せる新しいイメージを必要としていました。Koenigsegg にとって最大のマーケティングイベントの一つであり、ブランドにとって非常に重要なものでした。
彼らは Oskarに、周囲の環境ではなく車に焦点を当てた、明るくシンプルな写真の撮影を依頼しました。
「Ängelholm (オンゲルホルム)の工場近くの、誰もいない飛行機の格納庫に送り込まれました。きちんとしたスタジオだとよかったのですが、これだけのスペースがあるのは嬉しかったですね」と Oskarは言います。
チャレンジ
2月中旬のスウェーデンでの撮影は、日が短く、天候も不安定です。Oskar は撮影に24時間ほど確保しましたが、車が一斉に到着しないことはわかっていました。
「これは楽しいミッションでしたが、同時に大きな挑戦でもありました」
統一感を出すためには、環境光に頼らず、しっかりとしたライティングをする必要がありました。また、すべての車が暗い色なので、反射による映り込みの調整も重要でした。
「私には 2つの大きな課題がありました。クライアントは明るく鮮やかな光沢感のある写真を求めていましたが、撮影は暗い格納庫でした。背景にするには、あまりにも雑然としていました」
「2つ目の課題は、時間でした。それぞれの車にどれくらいの撮影時間を確保できるのかコントロールできなかったので、時間を最大限に活用する必要がありました」
Oskarにはある計画がありました - 初めての試みでしたが、新しいことに挑戦しようとしていました。
撮影
映り込みによって車をより輝かせるために、Oskarは車の上に 11mほどの白いバタフライセイルを張り、2灯の Profoto B1 オフカメラフラッシュの光をバウンスさせました。
「こうすることで、車の塗装やカーボンファイバーに繊細な反射やグラデーションを作り出すことができました」
「このようなセイルを扱うのは初めてだったので、撮影はちょっとした実験のようなものでした。でも、コツをつかむと、とても扱いやすくなりました」
外装の撮影では、コードレスモノライトに マグナムリフレクターと OCF バーンドアを装着。内装の撮影では、RFi ソフトボックス 30×120cm を使用しました。
「このようなセットアップでは、反射とどのように光が当たるかが重要です。セイルや B1を動かすことで、それぞれの車のディテールや形状を最大限に表現できる最適な配置を見つけることができました」
Oskarは、Sony α7R II に Air Remote TTL-Sを装着して、TTLモードで適性露出を得ることができました。
「最初のテスト撮影では、必ずTTLで露出を決めます。適正露出が得られたら、MAN(マニュアル)モードに切り替えます。こうすることで、ストロボの適切な出力を探すのに苦労しないで、ワークフローをさらに加速させることができます」
結果
このセットを組むことで Oskarは、それぞれの車の短くランダムな撮影時間に適応することができました。Retuscheriet(レタスチェリエ)の編集チームがより明るい、美しい背景にできるように、Oskarは雑然とした背景もうまく処理しました。
「写真は明るくいい感じに仕上がり、統一感を出すことができました。暗い車と明るい背景のコントラストが気に入っています。Koenigseggにも気に入ってもらえました」