ファッション&ファインアート フォトグラファー Zhang Jingna は、これまでにコマーシャル撮影や個人プロジェクトの撮影を紹介してくれました。今回は、フォトグラファーとして成長するためにはどうすればよいか、という内なる側面を掘り下げます。Zhang Jingnaが語る 「写真上達のための14のステップ」をご紹介します!
プロのフォトグラファーであれ、趣味のフォトグラファーであれ、撮影を続けている人は、どのようにして上達するのでしょうか?これは、フォトグラファーからよく聞かれる質問のひとつです。これまでの2つの記事では、コマーシャル撮影 や 個人的なプロジェクトの撮影 の制作についてお話をしてきました。今回の記事では、少し内面に目を向けて、自分を磨き、写真を上達させる方法についてお話したいと思います。
では、早速ですが、私が考える「写真上達のための14のステップ」をご紹介します。
1. 満足しないこと
まず最初に、私は謙虚さについて注目したいと思います。上達したいのであれば、自分には改善の余地があることを知り、批判に対してオープンでなければなりません。
すでに自分に満足している人は、自分を奮い立たせるハングリー精神に欠けています。
自分の弱点を自己評価し、改善したいことをリストアップしておく。常にこれらに取り組んでください。
2. フィードバックの輪を作る
良い審美眼と好みを持った信頼できる友人の輪を築くこと。彼らの意見を聞きながら、定期的に自分の作品について議論しましょう。
例えば、「この構図をもっと良くするには?」とか、「クロップAとクロップBではどちらが好き?」など具体的な質問をしても良いし、あるいは、「私の作品に欠けているものは何だと思う?」「私の写真をもっと良くするにはどうしたら良いと思う?」など、自分の作品全体について幅広い質問をしても良いでしょう。
フィードバックを書き留めて、要点をまとめてみましょう。人はそれぞれ違いますから、当たり外れがあるでしょうが、このような新鮮な視点は、物事を新たに見直すのに役立ちますし、これまで自分では見落としていた点をカバーしてくれます。
3. 目標を決める
フィードバックで得られたリストをもとに、自分が取り組みたいポイントに優先順位をつけて、以下のステップを実行しましょう。
単純に「新しいことに挑戦する」というような広いテーマの目標もあれば、「特定のスタイルやライティングを実現する」というような具体的なテーマの目標もあります。
その選択は多くの場合、状況に応じて行われます。あなたの撮影経験のフェーズや、写真に何を求めているかによって、変わってくるのです。
具体的なテーマは、技術的な改善に向いていますが、より幅広いアイデアは、探求やスタイルを進化させるのに向いています。いずれにしても、選択した後は集中して、失敗を恐れずに取り組みましょう。
4. リファレンス・ライブラリーを作る
目指すべき目標が決まったら、自分の好きなトピックに関連したリファレンス・ライブラリーを作り始めましょう。好きなように整理して、写真だけでなく、興味のあるものは何でも保存します。アイデア、リンク、イラスト、読書リストなども書き留めておきましょう。
既存のライブラリーがある場合は、新しい資料は別にして保存します。そうすることで、簡単に参照することができます。
5. 本を読む
人間は視覚的であり、読書家な人はそれほど多くはいません。しかし、写真や映像だけで学ぶことには限界があります。
だからこそ、自分の知識や想像力を豊かにするために、自分が興味を持っていることやストーリーの背景を理解するために、読書をするのです。
自分が興味を持てるトピックをじっくりと探しましょう。美術史から理論、伝記、インタビュー、モノグラフまで、何でも調べてみてください。
また、写真に限らず、自分の好きなことに関連するものなら何でも - 目から鱗が落ちるようなインスピレーションを得ることもあります。
例えば、ファッションを撮りたいのであれば、洋服やファッションの歴史、業界、過去と現在のデザイナー、生地、トレンド、シーズンなどについて、あらゆることを読み解くべきです。また、業界用語やヘアメイク、スタイルについても知っておく必要があります。
フォトグラファーの仕事は、ただシャッターを切るだけではありません。アーティストであり、ディレクターなのです。自分の視点を表現できる写真を撮るためには、被写体を知り、自分の視点を持たなければなりません。
6. 旅をする
読むだけでなく、実際に体験して理解しなければならないことはたくさんあります。
文化は都市によって大きく変わります - ギャラリーや美術館の作品から、自然や都市の風景までさまざまです。
レファレンスのために何枚か写真を撮りますが、ファインダー越しに世界を眺めるだけではいけません。自分が見たもの、感じたものの雰囲気に浸り、インスピレーションを得て、それを自分の中に留めるのです。
旅行は、インスピレーションを得るための最高の方法のひとつです。とてもおすすめします!
7. ワークショップに参加する
ワークショップは、好きな人に会って、その人の視点やアプローチを学ぶのに最適な場所です。
その人の仕事のやり方や考え方をそのまま採用する必要はありませんが、他の人のやり方を知り、それを自分の仕事や人生にどのように取り入れていくかを考えるために参加するのです。
友達を作ったり、質問をしたりするのにも最適な方法なので、事前にしっかりと考えた質問を用意しておきましょう。これは、直接会って交流することの最大のメリットのひとつです。
しかし、これはあくまでも学習方法のひとつであることを忘れないでください。いきなり全てを知り尽くしたり、すぐに上達したりすることはありません。どんなに優れたクラスでも誰にでも合うわけではありませんから、常にオープンマインドでいることが大切です。
8. ノートを用意する
これらの新たに得た知識やインスピレーションをもとに、いよいよ実践編に移ります!その前に、ノートを用意しましょう。
ここからは新しいことにどんどん挑戦していくことになります。ノートがあれば、アイデアを考えたり、試してみたいことを書き留めたり、新しいライティングなどの構図を記録したりするのに便利です。携帯電話やノートパソコンでもメモを取ることはできますが、紙とペンを使って、メモや構図を書き留めるのとは全く違うのです。
9. 新しいテーマや題材に挑戦する
写真を構成する最も重要な要素のひとつが「被写体」です。人物やポートレートばかり撮っている人は、風景や静物を撮ってみてはどうでしょうか?
被写体が変わるだけで
- 撮り方や見方が変わる
- 撮影時のセッティングや構図に影響を与える
- 新しい機材を使ってみようと思う
- 自分の作品に活かせる貴重な情報を得ることができる
例えば、私は主にポートレートやファッションを撮影していますが、マクロや静物を試してみることで、新しいライティングの方法や新しいレンズの使い方を学ぶことができました。その過程で、新たなテーマやスタイルが生まれることもあり、興味を持って探求を続けることができます。それが他の作品にも反映され、自分のスタイルやライティングの進化につながっていくのだと思います。
10. ライティングを実験する
被写体はもちろんのこと、写真の最も重要な要素はライティングです。作品の雰囲気を決めるものであり、構図にも大きく関わってきます。
新しいリファレンス・ライブラリーを見て、今までやったことのないライティングのものを見つけてください。それは、写真でも、絵画でも、アイデアでも、新しい被写体でも良いのです。普段は自然光で撮影していますか?スタジオで何かやってみてください。いつもソフトボックスを使って撮影していますか?真昼の太陽の下やスポット光で撮影してみてください。
重要なことは
- セットアップやバリエーションごとにメモを取りながら作業を進める
- ライティング・ダイアグラム(構図)を描く
- セットアップの写真を撮る
- ロケ撮影では、撮影時間と光の質を記録する ことです。
セットアップ写真は、ライティング・ダイアグラムに添える素晴らしい視覚資料です。ライティング・ダイアグラムに書き忘れたり、書きづらかったりする部分をカバーしてくれますし、撮影の環境や、ロケ撮影では環境光に影響を与えるものを思い出させてくれる役割もあります。
こうすることで、新しいセットアップを発見したり、自分のスタイルにバリエーションを出すことができます。また、現在の撮影に磨きをかけるのにも役立ちます。
これまでは、他の撮影のついでに新しいセットアップを試そうとしていたかもしれませんが、成果物の制約がない分、ここでは時間をかけて撮影することができ、自分のやっていることがより明確になります。
このライティングの実験に、モデルやチームが参加する場合は、事前に撮影の目的を説明するのを忘れずに。周囲の理解が得られれば、安心して自分のタスクに専念することができます。
11. 個人プロジェクトを始める
上記のすべてを実行したら、多くのインスピレーションを得てきっと興奮しているはずです!あなたが学んだ新しいこと、試してみたいことが山ほどあるはずです。一番好きなテーマを選んで、そこから個人プロジェクトを始めましょう。ミニシリーズでも大きなプロジェクトでも、そのテーマに興味があれば問題ありません。私がどのように個人プロジェクトを行ったかは、以前の記事「Zhang Jingna 個人プロジェクト撮影の裏側」をご覧ください。
12. 忍耐強く
あなたの冒険の成功を祈る前に、最後にいくつか言いたいことがあります。まず第一に、我慢してください。上達には時間がかかり、一夜にして上達することはありません。学習を楽しむためのプロセスとしてとらえ、必ず成果が出ることを知ってください。急ごうとせず、時間がかかっても気にしないでください。
13. 休憩をとる
創作活動に夢中になっていると、休憩をとることを忘れてしまうことがあります。しかし、腰を落ち着けて一息つくことは、創作活動と同じくらい重要なことであり、燃え尽きてしまうリスクは避けたいものです。
写真以外の本を読んだり、映画を見たり、テレビ番組をハシゴしたり。写真から離れましょう。数日でも、数週間でも、数ヶ月でも構いません。数日でも数週間でも数ヶ月でも構いません。リフレッシュして、インスピレーションを得て、再び作品に取り組むためのより良い展望を得ることができるでしょう。
14. "誰にも指示されるな"
フィードバックは重要ですが、それは単なるフィードバックであることを忘れてはいけません。自分が何者なのか、何をしたいのかを見失わないようにしましょう。自分が写真を撮る理由を忘れないでください。
学ぶということは一生続くことです。自分自身に忠実であり続け、冒険を楽しんでください。グッドラック!
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