ファッションの世界へ飛び込むための15のヒント - Zhang Jingna | Profoto (JP)

ファッションの世界へ飛び込むための15のヒント - Zhang Jingna

25 11月, 2014

執筆者:: Zhang Jingna

ファッション・ファインアート フォトグラファー Zhang Jingna は、これまでにも広告撮影や個人的な作品撮り、写真の上達方法に関する記事を執筆し、絶大な人気を誇ってきました。今回は、Jingnaさん自身の言葉で、ファッション写真の世界へ飛び込むための15のヒントをお伝えします。

前回までの3つの記事では、広告撮影個人的な作品撮り、そして写真の上達方法のコツについてお話ししました。今回は、ファッション写真の世界に飛び込む方法について、私の考えをシェアします。

ファッション写真は、非常に排他的で競争の激しい業界です。この業界に入るには、献身的でひたむきな努力とハードワーク、そして多くの場合、幸運とタイミングが必要になります。秘訣や近道はなく、厳しい長い道のりへの覚悟が必要です。

 

1. ファッションを知る

フォトグラファーがカメラの操作方法を知っているように、ファッションフォトグラファーもファッションに関する基礎知識を持っている必要があります。よく理解することは最終的にキャリアアップにつながるので、以下について勉強をすることをおすすめします。

– ファッションの歴史
– さまざまな時代のファッション
– デザイナー、アイコン、イメージメーカー
– ファッション用語
– ヘアスタイルとメイクアップ
– ファッションの映画やドキュメンタリー
– 業界の最新ニュース

多くのフォトグラファーは、ファッションが何であるかを知らずにファッションを撮ろうとしています。どこまでファッションを理解しているか、仕事を進める上で露わになります。より良い作品を撮るために、多少の読書で満足しないようにしましょう。このようなテーマに関する資料のほとんどは、現在インターネットで簡単に入手できます。

 

2. 雑誌を読む、人を知る

 

雑誌を読むことは、駆け出しのフォトグラファーにとってインスピレーションとなるイメージやアイデアを見つけるのに最適な方法です。この時間を使って、自分が共感したスタイルや作品をキュレーションしてみましょう。気に入った写真の特徴を見極めて、自分の作品の参考にしましょう。スタイルに共感した人の名前を保存しておけば、いつかその人と一緒に仕事をすることも夢ではありません。

 また、雑誌や出版物によって、それぞれ読者層や美意識が異なることも覚えておいてください。誰が何を求めているかを知ることは、今後撮影したい種類の雑誌に適したポートフォリオを準備するのにとても役に立ちます。

 

3.アシスタントをする

 

アシスタントをすることは、撮影がどのように行われるかを学び、業界の人々と知り合う良い機会です。

数年間フルタイムでやることを選べば、それ自体がファッションの世界に入るためのルートになるかもしれません。特にファッションの主要都市では、大規模なハイエンドのプロダクションを経験することができます。ですが、あくまで、あなたの仕事はアシスタントであることを心に留めておいてください。スタイリストの電話番号を勝手に聞き出したり、編集者とFacebookで友達になろうとしたりすると嫌われます。チームのアシスタント仲間と友達になれば、一緒に協力して成長することができるでしょう。

 

4. ファッションのライティングを学ぶ

 

アシスタントをするしないに関わらず、ファッションのライティングの基本を学ぶことは、思い通りの作品に仕上げるために重要なことです。

ここでは、ファッション撮影でよく使われるライティングのツールを紹介します。

ビューティーディッシュ: ビューティーやファッション撮影に欠かせないツールです。ビューティーディッシュは、硬い光とやわらかい光の中間のような光質を作り出します。肌に美しい光沢と輝きを与え、硬い光のように素晴らしいコントラストと立体感を作り出しますが、エッジの影がキツく見えることはありません。

ジャイアント リフレクター: ファッション撮影で非常に人気のあるツールです。ビューティーディッシュの場合、光の広がりに制限があり、ほとんどの場合、フィルライトが必要になりますが、ジャイアント リフレクター は、その大きさから単体で使用することができます。また、光の広がりが非常に均一であるため、モデルの全身を撮影したり、ファッション写真、特に商業撮影で重要な、服のディテールや色の正確な描写をするのに最適なツールです。

– 紗幕: 屋外で強い光を拡散するために使用されますが、スタジオでの広告やビューティー撮影にも最適です。紗幕は、このリストにある他のライトシェーピングツールよりも特殊で、セットアップや撮影に手間がかかります。私はレンタルで試してみることをお勧めします。間違いなく、特定の撮影スタイルによって非常に価値のある投資になるでしょう。

ソフトボックス オクタ型: 私のお気に入りです。名前の響きも形状もカッコよくて、何より汎用性が高いです。ソフトボックス オクタ型 は、ファッション、ビューティー、ポートレートの撮影に簡単に使うことができます。光と影に美しい均一な質感があります。また、正方形や長方形のソフトボックスとは異なり、オクタ型の形状は(背景にフィルライトがないとき)より丸みを帯びた美しいグラデーションを背景に作り出します。また、角ばったシェーピングツールとは異なり、被写体の目に丸みを帯びた自然な感じのキャッチライトを入れることもできます。最近では、絵画のような作品撮りをするときに、ソフトボックス オクタ型 とProfoto アンブレラ ディープ ホワイト XL を好んで使用しています。

時間をかけてじっくりと、できるだけ多くのツールを試して、自分に合ったものを見つけましょう。それらを互いに組み合わせたり、ソフトボックス ストリップ型スヌート、フラッグ、カポックを使用したりしましょう。様々な印象深いムードを演出することができるようになります。

 

5. ファッションのレタッチを学ぶ

 

自分でレタッチするフォトグラファーも多いですが、レタッチャーに仕事を依頼する人も少なくありません。どのような選択をするにしても、レタッチの方法は学ぶべきでしょう。他のレタッチャーに任せたものをそのまま提供するのではなく、自分の作品に個性的な編集を加えることができるようになりたいものです。

YouTube には無料の動画がたくさんありますし、Googleで検索すれば、写真に関するブログ記事などの資料も無数に見つかります。新しいテクニックをチェックして、練習に時間を費やすことを厭わないでください。

 

6. たくさん撮影をする

 

森山大道氏の言葉で、「量なくして質なし」というのがあります。

数え切れないほどの撮影をこなすことで、まず自分の作品が良くなるし、業界の人に自分を知ってもらうのにも役立つと思います。これは、私がフォトグラファー仲間から聞いて、シェアしている、ファッション業界に入るための最も重要な秘訣のひとつです。

まだ撮影チームがない場合は、シンプルで小さなことから始めてください。友人と一緒に仕事をしたり、セルフポートレートを撮ったり。自分の持っているものを使って、作品のスタイルやコンセプトを見せ、ModelMayhem のようなウェブサイトでフリーランサーや他の意欲的なクリエイターにアプローチしてみましょう。撮影を重ねるごとに、ネットワークが広がっていくでしょう。

5~6枚の自信作ができたら、10~20枚のポートフォリオを作成し、モデル事務所にコンタクトを取りましょう。理想的なのは、すでにモデル事務所の女の子を撮影しているヘアメイクと一緒に仕事をすれば、写真をレビューして、編集に関してアドバイスをもらうことができます。もしモデル事務所から返事がなくても、あきらめないでください。研鑽を重ね、数ヵ月後に再チャレンジしてください。定期的にモデル事務所の撮影をするようになったら、それはひとつのマイルストーンと言えるでしょう。その撮影を続けていけば、すぐにでも最初のエディトリアルを撮影することができるでしょう。

 

7. 本業を続ける心構えをする

 

さて、ここまでで技術面、撮影面をカバーしてきましたが、いよいよビジネス面についてお話します。

まず、モデル事務所の撮影を始めても、しばらくはお金にならないことを覚悟してください。本業の仕事を続けるか、しばらくは相当額の貯蓄が必要になります。そして、住んでいる場所によって、駆け出しのフォトグラファーが業界に入る2つのシチュエーションがあります。

ニューヨーク、ロンドン、ミラノ、パリといったファッションの中心地に住んでいる場合、商業撮影の常連クライアントを何人か獲得するまでは、ファッションフォトグラファーとして生計を立てるのはかなり難しいでしょう。これらの都市では、報酬のあるエディトリアルの仕事は、一流のフォトグラファーに依頼されることがほとんどで、雑誌に投稿して掲載されても、クレジット以外の報酬はほとんどありません。

しかし、ファッションの主要都市に住んでいない場合は、ほぼ雑誌を問わず、有償でエディトリアルを撮影できるという意味で、より恵まれています。これは多くのフォトグラファーにとって安定した収入源になり得るし、最終的には広告撮影の仕事につながることもあります。デメリットとしては、大都市に比べて一緒に仕事をするクリエイターが少なく、小規模で商業的(そして往々にして)保守的なマーケットでは、クリエイティブの自由が制限されてしまうことです。

 

 8. 書類整理をする

 

本業かどうかはさておき、やはり写真はビジネスとして取り組みたいものです。まずは、ファイルや書類を整理する習慣から始めましょう。

– ファイル名と写真カタログの体系化
– 作品の著作権登録
– プレスの切り抜き保存
– ティアシートの高解像度ファイルのリクエストと保存
– 見積書、請求書、領収書、銀行/クレジットカード明細書、モデルリリース、契約書のアーカイブ化
– 連絡先リストの整理
– 履歴書・職務経歴書の定期的な更新

私が好きなのは、上記のような、ひとつひとつの事柄についてフォルダを用意して、年ごとにファイルを整理し、必要に応じてサブフォルダも作成することです。

好きなようにやればいいのですが、これをシステマチックに整理することで、将来的に多くの悩みの種を減らすことができます。

 

 9. 断るべきとき、断ってはいけないとき

 

キャリアを積んでいくと、何をするにも厳選したくなるものです。ただやっていることを見せるために何でもかんでも引き受けると、自分の方向性や作品の質が希薄になります。

でも、最初のうちは、できるだけいろいろなことを試してみるのがいいと思います。

新しいことに挑戦することで、何を学ぶことができるかわかりませんし、もしある作品のスタイルが嫌いになったり、失敗したりしても、その経験を、その先の大きなプロジェクトではなく、より早い段階で学ぶことができるのです。

 

 10. 作品撮りをする

フォトグラファーが新しいクライアントやチャンス、プレスなどを惹きつけるのに、個人的な作品撮りは最大のセールスポイントのひとつです。個人的なプロジェクトや作品群を持つことで、雑誌やクライアントのために撮影するファッション写真とは別に、他のフォトグラファーと何が違うのか、何ができるのかを示すことができるのです。

 

11. ポートフォリオを編集する

ポートフォリオは常に更新し、よく編集しておくこと。ベストの作品だけを見せること。今はずっと上達しているのに、5年前に撮影した作品を、感傷的な理由でポートフォリオに入れるのはやめましょう。

仲間のクリエイターや編集者、アートディレクターから、できる限りフィードバックをもらいましょう。

ミーティングに行くときは、ターゲットに応じてポートフォリオを調整します。雑誌のビューティーエディターと会う場合は、通常のファッション写真のプレゼンテーションをするよりも、ビューティーの作品を先に見せたほうが、より魅力的に映るはずです。

 

12. ウェブサイト、ニュース、SNSを更新する

作品撮りをしているのなら、それを見せる。ウェブサイト、ソーシャルメディア、仕事用の連絡先リストを更新して、今取り組んでいることを知らせましょう。個々の写真の更新はソーシャルメディアにとどめ、連絡先リストには大きなニュースとして定期的にニュースレターを配信しましょう。

 

 13.ネットワーキング

 

ファッション業界において、ネットワーキング(人脈作り)はかなりの必須条件です。人付き合いやパーティーが好きなタイプが最適です。携帯電話やiPadに自分のポートフォリオを入れておけば、いつでも簡単に見せることができます。名刺は常に携帯し、自分のSNSの詳細も載せておきましょう。

インスタグラムでフォローして、交流する。直接会うことと、SNSでフォローすることの組み合わせは、つながりを作る最も簡単で早い方法のひとつです。

でも、私のようにスタジオに引きこもるのが好きな人は、泣かないで、もっと一対一のミーティングをしてください。会いたい人を選べばいいし、これも友達作りのひとつと思えばいい。コーヒーなら大抵、立ち話よりうるさくなく退屈しないし、知らない人に声をかけるより気まずくなく威圧感もありません。

 

 14. 引越し・移動をする

 

ハイファッションに携わり、有名ブランドや雑誌の撮影をしたいのであれば、ファッションの主要都市に居なければなりません。もし、近くに住んでいないのなら、引っ越さなければなりません。

渡航先が国内であったり、EU圏内であれば、ほとんどの場合、新しい都市で新しい仕事を見つけるだけでよいでしょう。しかし、新しい国に移住しようとすると、ビザを取得しなければならないので、リスクとコストが高くなります。これには、一般的な2つのルートがあります。

- アートスクールに通い、同時にポートフォリオを作成する。時間とお金に余裕があるかどうかを判断する必要がありますが、良い学校は、新進気鋭のアーティスト、デザイナー、スタイリストとのネットワークを築くのに最適な場所です。

- 観光ビザを取得して、しばらく滞在できるようにする。ミーティングをしたり、テスト撮影をしたり、ネットワークを作ったり、エージェントを探したり。新しい街で仕事を得るまでの間、定期的に飛行機で帰国すれば、地元のクライアントを維持しながら、安定した収入を得ることができます。

 

 15. 良い仕事をする、誠実である

 

品質の価値は、時間が経てば見えてきます。何をするにも、誰と仕事をするにも、人から何を言われるにも、最善を尽くし、一貫性を持ち、常に誇れる良い仕事をすることです。

ファッションは厳しい業界です。競争が激しく、アグレッシブです。そして、どんなに頑張っても、何度も何度も拒絶され続ける可能性あるのです。

最初に写真をやりたい理由を見つけること。一番つらいときに、その理由があれば、乗り越えられるはずです。

あきらめないでください。Good luck!

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