Joseph Radhikは、過酷な熱波と太陽がギラギラと照りつける中、キムザー砂丘で親友のウェディングフォトグラファー、ErikaとLanny Mannの撮影で初めてProfoto B10を体験しました。
タール砂漠の東端までは、ジョードプルから車で約1時間半の距離にあります。Josephが選んだロケ地のキムザー砂丘は、砂の海がうねり砂塵の舞う岩だらけの風景で、フォトグラファーの間では有名な場所です。
小さいけれども、パワーは足りるのか?
Josephにとってキムザー砂丘は勝手知ったる土地です。以前にもここで依頼をこなしたことがありました。Mann夫妻とは異なり、JosephはProfoto B1Xのような大型のOCFライトの知識もありました。しかし、B10を扱うのは今回が初めてでした。40℃の灼熱の中で撮影するには、持ち運ぶ機材が少ないほど良いので、彼はそのサイズの小ささを称賛していました。ただ、彼が興味を持っていたのは、心に思い描くイメージに必要なパワーを持っているか否かという点でした。
2人が1人に重なるとき
当初、Josephは大きくうねる砂丘のどれかで、高い位置から撮影することを思い描いていました。「ポートレートの中にポートレートがあるような、重なりのある写真を演出しようと考えていました」
そこで、B10を1台使い、OCF マグナムリフレクターを取り付けてErikaの顔の近く、後方やや左の位置に置きました。3メートルほど離れた位置にLannyを立たせ、200mmレンズを使用して背景を圧縮しました。その結果、Erikaの輪郭には顔に十分な量の光が当たり、上半身がLannyのシルエットから浮き彫りになりました。Josephがこれまで撮ってきた写真のように、ポートレートの中にポートレートがあるような1枚となりました。
熱気はますます強くなり、太陽も高くなってきたため、Josephは次の写真にはその状況を活かすことに決めました。
太陽光を上回る出力
大きくうねる砂丘にLannyとErikaを立たせ、自身は下から撮影しました。再びLannyは影にはいるように、Erikaは少し手前になるようにして、強いドラマチックな光を照射しました。Josephの妻のDevikaは、B10にOCF マグナムリフレクターを取り付けて手に持ち、Erikaから数メートルほど離れた場所に立ちます。Ericaの顔に光を照射して衣装の鮮やかな色を浮き彫りにしました。頭上に広がる真っ青な空で照りつける太陽は、撮影シーンの3つ目のアクセントとなりました。
「この環境で光をコントロールし、形作るには、太陽光を上回る出力が必須です。私が必要としていたのは、求めるイメージをフレームに収めるための大出力でした」 Josephを驚かせたのは、B10が期待以上の光を提供してくれたことです。「フラッシュの明るさは予想以上だったので、少し段刻みを落として補正する必要がありました」
ロケーション地を最大限に活用する
Josephは、彼らが立っている砂丘が頂点で鋭く突起していることに気付きました。そこで、Josephは縁の下にやや距離をとってかがみ、ErikaとLannyをそこに沿って歩かせました。2台のB10を使用し、1台目にはやはりOCF マグナムリフレクターを取り付けて下から光を照射して少しフィルライトを追加し、2台目のB10はDevikaに持たせてMann夫妻の数メートル後ろを歩かせました。2台目のB10はErikaを照らすリムライトとして働き、背景から彼女を切り離すと同時に、彼女に向かって振り返るLannyの顔に少し光が当たります。
「超速のシャッタースピードが必要でした。1/5000秒から始めて1/8000秒まで上げましたが、HSSの精度には驚かされました」
ここまで撮影したところで、暑さで皆に疲労の色が出始め、ホテルに帰って涼みたい雰囲気になっていました。しかし、Josephは波に乗っており、もう1枚取りたいと思いました。
1日を締めくくるロマンチックな1枚
急激に翳っていく太陽がキムザー砂丘を濃い黄金色に染め上げていったため、Josephは最後の撮影に独特な光を活用したいと考えました。
そこで、小さなオアシスの水のほとりで、LannyとEricaを木の下に立たせました。神のいたずらか、木は少しハートの形になっていたため、ロマンチックなポートレートに打って付けでした。
1台のB10をライトスタンドに取り付け、ErikaとLannyの背後のスロープのやや高い位置に置き、Josephは大きな水場の向こう側から、波ひとつない水面に映る2人を撮影しました。B10はドラマチックなバックライトを演出し、Mann夫妻の背後に隆起する砂丘の黄金色のトーンから2人を切り離し、同時に足元の地面を照らし出しました。
炎天下の中、長い1日の撮影が終わり、JosephはB10のパフォーマンスと撮れた写真に満足気でした。「頭の中に合ったイメージに沿ってライティングの方向を決めましたが、B10はすべての状況で予想以上の働きをしてくれました」