ハリウッドへのオマージュ: Chris Knightがキネマ風ポートレートを撮影 | Profoto (JP)

ハリウッドへのオマージュ: Chris Knightがキネマ風ポートレートを撮影

03 7月, 2017

執筆者:: Jens-Linus Lundgren-Widén

ハリウッドの黄金時代には、どこか優雅に洗練された空気感が感じられます。Chris Knightは、銀塩写真の時代の感覚を現代の写真撮影に変換できる稀有なフォトグラファーの1人です。D1とProfotoのアンブレラを使用して、Chrisが格調高いキネマ風のポートレートを演出する方法を解説します

スタジオ撮影のとき、Chrisは最初にコンセプトを組み立て、それに合わせてセットアップを調整する方法を好みます。

「このプロジェクトは、スタイルがとても心地よく調和しました。往年のハリウッド映画のきらびやかで格調高い上品さにオマージュを捧げたいと思いました」

もちろん、セットアップにはある共通のアプローチ (広がりのあるやわらかいライト) があるといいますが、標準のセットアップのみを使用すると、写真の仕上がりに影響を与える可能性があることを彼は強調します。

「型にはまったライティングが素晴らしい効果を与えることはほとんどなく、少し陳腐に見えてしまうことが多いのです」

「特別なアイデアや被写体向けに光を形作ると、必ず強烈なイメージを作ることができます。したがって、コンセプトがライティングを決めるべきで、ライティングがコンセプトを決めるのではありません」

フォトグラファーとして遭遇する最大の課題は、適切な設定や機材を見つけることではありません。最大の課題は、壮大な撮影構想を実行に移すことです。自分のイメージにストーリーを語らせ、見る人にメッセージを伝えるには、被写体のライティングからスタイル、ヘアアレンジ、メークアップまで、数多くの細かいディティールをフレームに合わせて調整する必要があります。アイデアを実現するには、あらゆる要素が躍動感に溢れていなければなりません。

「技術的に適切な方法で実施された作品を作り上げるのは素晴らしいことですが、 それだけでなく写真にメッセージ性またはストーリーが必要です。」

したがって、信頼できる機材が佳作と傑作を分ける鍵を握ります。 「仕事にはいついかなる時も機材が必要です。その点でD1は信頼できます」

ハリウッドの黄金時代を再現する撮影術

ドラマを生み出し、イメージの全体像を形作るため、ChrisはD1モノライトにアンブレラ ディープ ホワイト XLを装着し、カメラ位置の左上方からメインライトとしてディフューザーをセットアップしました。

「アンブレラにディフューザーを使用するのが好きなんです。アンブレラ ホワイトは常に光をやわらかくしますが、ディフューザーの追加によって、最高にやわらかく美しい光を演出できます」とChrisは説明しました。

「ライティングでよくある誤解は、被写体が大きい時に光を追加してしまうことなんです。すると、写真は少し平坦な印象を与えてしまいます。確かにこれも1つの方法ではあるのですが、大型のライトシェーピングツールを使用するだけで、場面全体にまんべんなく柔らかい光を照射し、被写体を際立たせ、ドラマティックな演出を施すことができます」

カメラの背後には、拡散用のアンブレラ ディープ ホワイト Lを取り付けたD1をもう1台セットアップしました。これによって、影の明度と全体のコントラストをコントロールできます。

「ハリウッド黄金期はお気に入りの時代で、往年の名画の要素を取り込む機会があってうれしい限りでした」とChrisは語ります。

最終的な写真を見ると、往年の映画スターの格調高い瀟洒な雰囲気を醸し出しています。もやのかかった映画のような雰囲気の一部は、スモークマシンによって演出されています。Chrisは、D1モノライトをさらに1台セットアップし、煙霧に光を当てました。

「煙やもや、霧などの粒子状の物質は、背後から光を照射する必要があります。3台目のD1は、写真の中で煙霧を目立たせるための照明として使用しました」

3台目のD1にはアンブレラ ディープ ホワイト Sを取り付け、背後の上方から高出力でカメラに向け、背後から煙霧を照らし出しました。このライトの組み合わせが一体となり、キネマ風ポートレートの色調や雰囲気を形作りました。

アクセントの追加

この撮影で、Chrisはアンティーク調の家具などの小道具を使用して、周囲の装飾に華を添えました。ハリウッド風の舞台裏に印象を追加するため、色あせていっそう魅力的になった古いフレネルレンズを使いました。残念なことに、部屋の古ぼけた照明は機能しませんでした。しかし、幸い電球が嵌っていた空洞は、Profoto B2 To-Go キットがすっぽり収まるサイズであることに気付いたので、問題はすぐに解決しました。

「B2の最も優れた利点は、サイズとパワーです。小型で強力な機材を持つと、クリエイティブの可能性の幅が大きく広がります。Profotoのそのほかの機材ともうまく調和することは言うまでもありません」

「私にとってProfotoのシステムは、信頼性、一貫性、クリエイティブな柔軟性に優れ、最終的に撮影作業を簡単にしてくれる機材です」

温かみのあるキネマ風のかすかな光を得るため、B2ヘッドにOCF カラーフィルター スタートキットからCTO ¼を装着しました。Pentax 645ZtにAir Remoteを取り付け、出力をリモート設定にして、D1モノライトに合わせて完璧にバランスを調整しました。

最終結果

特定のポーズから得たいイメージに応じて、90mmと55mmのレンズを切り替えました。カメラの設定に関しても、同様の方法を適用しました。

「被写体が単体の時は絞りを広めに取り、同時に2つの被写体を撮影する時は絞りを狭めました。通常、シャッター速度は約1/125秒、ISO感度は100に設定しますが、撮影に応じて変えます」

メインライトではD1を8-9に設定し、フィルライトでは6-7に設定しました。背後からの補助ライトは、Air Remoteを使用して簡単に微調整できました。

霧がかったオレンジの光が場面を演出し、撮影のスタイルとライティング設定を決めますが、本当の魔法がかかるのはChrisが撮影を開始する時です。常にモデルに話しかけ、カメラの連写に従って高出力のストロボを連射していると、Chrisは撮影の手応えを確信しました。

執筆者:: Jens-Linus Lundgren-Widén

このストーリーで使用された製品

アンブレラ ディープ ホワイト

やわらかい光を作り出すズーム調整可能な汎用アンブレラ
¥31,900 から

アンブレラ ディフューザー

アンブレラ ホワイト、シルバーがソフトボックスに早変わり
¥7,480 から

Air Remote

Air システムライトをシンクロし、マニュアル制御
¥59,950