Mara SaizがバレンシアでProfoto A1を使ってミステリアスな姉妹を撮影しました。 | Profoto (JP)

Mara SaizがバレンシアでProfoto A1を使ってミステリアスな姉妹を撮影しました。

15 2月, 2018

執筆者:: Steven Hanratty

自然光に頼る多くのフォトグラファーと同じく、Mara Saizも逆光や絶えず変化する光に悩まされています。しかし、Profoto A1は彼女をその悩みから解放しました。「バックパックに入る小さな太陽」は、自然光を使いこなす彼女にとっても、欠かせない機材になりました。

マドリード生まれのフォトグラファー、Mara Saizはカスティーリャ・ラ・マンチャ州の小さな村で育ちました。セルバンテスの故郷です。しかし、Maraはドン・キホーテのように風車に突撃するのではなく、恵まれた環境の中で光と大地、そして静けさにインスピレーションを受け、芸術的な精神に磨きをかけました。

彼女がひときわ興味を寄せるのは、女性を被写体とする写真です。Maraは作品を通して、生命の本質とその自然、光、色との調和を深く観察しています。彼女の作品には、赤と朱のトーンが繰り返しテーマとして登場します。これらの色は、彼女にとって生命を象徴するものです。また、エドワード・ホッパー、フェルメール、クリムトの影響が色濃く出ています。

Maraの連作のテーマは「家族の秘密を抱える姉妹」でした。 撮影場所にはバレンシアのInnovahausというスタジオを選びました。このスタジオは、内外に静かなコーナーを備えた多目的スペースで、A1の汎用性を試すには絶好の場所です。

「私にとってA1は、必要な場所で欲しい光を演出してくれる、バックパックに入る小さな太陽のようなものです」

バレンシアで初めての屋外撮影では、雲が素早く流れていたため、光が均等にならず、予想もできませんでした。光を補正するため、MaraはA1をオンカメラで使用し、モデルに直接照射しました。A1の光は、アクセサリーなしでも自然でやわらかいですが、さらにドームディフューザーを取り付け、肌に影が残りすぎないようにしました。

光は絶えず変化していました。そのため、露出を正しく維持するため、すべての写真をTTLモードで撮影することに決めました。その結果、落ち着いた緑のトーンのバナナの木を背にして立つモデルは、謎めいた、現実とは思えない雰囲気を醸し出しました。

Maraは、この静かで超現実的な雰囲気を次の撮影でも持ち越しました。2人のモデルを巨大なモノトーンの壁に囲まれたコーナーに立たせ、背後の息が詰まるようなコンクリートの壁とのコントラストで、カラフルな衣装を際立たせました。

ここで再び問題となったのは、光の調和でした。そこで、A1をオンカメラのままドームディフューザーを取り付け、肌のトーンバランスを完璧に調整しました。唯一の違いは、よりダイレクトで均一な光を演出するため、マニュアルモードでの撮影を選んだ点です。

クラシックなシトロエンには、どこかロマンチックな、違う時代の雰囲気があります。

この撮影では、周辺光が落ち着いていましたが、MaraはやはりA1をオンカメラで使用し、TTLモードで撮影しました。

「この撮影では、モデルに当てる光をとてもやわらかくする必要があったので、ソフトバウンスを取り付けました。このライトシェーピングツールが醸し出す光のクオリティは、雲に遮られた太陽光を思わせました」

ベッドルームの撮影でMaraがA1に求めたのは、直接照射しながらも、周囲をモデルごと包み込むようなフィルライトでした。ただし、テーマである夢のような謎めいた雰囲気を壊してはならないため、A1をオンカメラで使用し、再びソフトバウンスを取り付けました。TTLモードで、A1を高出力に設定したため、撮影に必要な光を簡単に得ることができました。

近くにあるオレンジの果樹園は、緑の色が濃く、ほとんど南国のようなトーンでした。ところが、太陽が急激に翳ってきたせいで、強いバックライト効果が出てきました。

光を補正するため、MaraはA1をオンカメラで使用し、高出力に設定しました。しかし、彼女が求めていたのはやわらかく自然な肌のトーンであったため、A1にはフィルライト以上の働きが必要でした。そこで力を発揮するのがドームディフューザーです。モデルの表情に当たる光をさらに和らげました。

バレンシアの街は、アールデコ様式のさまざまな建築が近代建築を圧倒しています。古風で趣のある街の広場は、さらに伝統が色濃く残り、シンメトリーなバルコニーと欄干が際立ちます。

太陽は高い建物の陰に隠れ、光がかなり均一になってきました。辺りは灰色がかってどんよりとしています。

MaraはローアングルでA1をカメラに取り付けて構え、フラッシュヘッドを空に向けました。膨大な光量は必要ではなかったため、ドームディフューザーを追加しました。建物のファサードの落ち着いた劇場のような背景と、姉妹の光沢のある肌のトーン切り分けられるくらいのやわらかい光があれば十分だったのです。

最後の撮影で、Maraは地元のカフェを撮影場所に選びましたが、雰囲気はイメージ通りでも、周辺光はそうではありませんでした。「タングステン電球の光の方向が全部バラバラだったのです」

そこで、Maraは2台のA1を使用しました。1台目はやはりカメラに取り付け、ドームディフューザーを追加し、TTLモードで使用し、モデルに直接照射しました。2台目のA1には、フラッシュヘッドにバウンスカードをマグネットで取り付け、アシスタントに手で持たせ、天井に向けて発光してバウンスさせました。これによって、均一な光を生み出し、完璧なバランスの取れた肌のトーンを演出できました。

Maraはこれまで基本的に自然光で撮影を行ってきましたが、今では撮影にA1が欠かせないと考えています。

「A1は、機能面でも光の質の面でも、スピードライトとは一線を画します。A1があれば、どんな撮影でも怖くありません。安心して優れた自然な光を得ることができます」

執筆者:: Steven Hanratty

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