Fumito Shibasaki x Profoto D2 | Profoto (JP)

Fumito Shibasaki x Profoto D2

10 5月, 2022

執筆者:: Profoto Japan

雑誌・広告を中心にパリと東京で活躍するフォトグラファーの Fumito Shibasaki 氏が、Profoto D2 を使ってシャネルの化粧品を撮影。撮影の舞台裏をご紹介します。

シバサキ氏の撮影スタイルは一発撮り。

「一発撮りは光がキレイなんです。光の基本は太陽光なので、人間の目で見ている感じに近い。

1灯なんですけど、その光が何かを透過した反射したりして、眼に入る光の世界が一番美しいと思っているんです。仕事では多灯もしますが、どんな撮影でも基本は1灯でも美しく見えるようなこだわりを持っています」

最初のカットは、ストロボと定常光の組み合わせで撮影。メインライトとして画面の右上から Profoto D2 (出力 6.8 と表示のライト)を直射して、強い光で全体の世界観を作った。

ベースの光としては、商品の右サイドからアートレ越しにズームリフレクターを取り付けた Profoto D2 (出力 6.5 と表示のライト)を照射することで、全体を照らしながら商品にハイライトを作った。アートレの上部を黒ケント紙で切ることで、艶のあるガラス部分と、半光沢のキャップ部分の質感の違いを出した。

さらに、このストロボ2灯の間に、Profoto B10X (OCF マグナムリフレクターを装着、出力 4.9 と表示のライト)の LED モデリングライトを定常光として加え、シャッタースピードを1秒に設定して撮影。

「花びらが透けているのは、1秒間シャッターが開いている間に、定常光の光を受けて投げた花ビラがブレているのですが、その動いている間にストロボの光が当たった瞬間だけ、止まって見える、という仕組みです。

直射の Profoto D2 は、出力 6.8 で閃光時間約 1/30,000 秒です。このスピードで花ビラは十分に止まっています」

二番目のカットは、商品を浮かしたアクリル水槽に、ドライアイスの白煙を流し込んで撮影。

シャッタースピードは 1/250 秒で、メインライトとして商品の右サイドからアートレ越しに1灯、ドライアイスの煙のディテールと奥行き感を出すために商品の右下あたりから1灯当てた。

「キャップ部分は艶のある黒なので、その艶感を出したいと思いました。正面のキャップの右側がグラデーションになっているのは、アートレの映り込みですね。反射する被写体には『何かが写る』ので、キレイなグラデーションのものを用意すれば、それがここに映るんです。

全体としては黒いキャップなので、黒は残すけれど、どこかにミラー感、艶感を出すことで、高級感が出てきます」

3カット目は Profoto D2 の閃光時間の速さを視覚化。

ライティングは1灯をトップからアートレ越しに当てたシンプルなセットで、下からアートレで返しを作って、左サイドが暗くなりすぎないようにした。

出力は閃光時間優先のフリーズモードで 6.0 に設定し、約 1/15,000 秒の閃光速度で撮影。

「D2 の最短閃光時間 1/63,000 秒までいかなくても、粒が完全に止まってディテールまで写っています。

商品も砂もフォトジェニックに見えるポイント(光)を見つけるのが大事で、それができたらあとはひたすら撮るだけです」

ブツ撮りで「光を作っていく魅力」はどこにあるのか。

「よく思うことは『光の特性って水に似ている』なと。水は一方通行で遮蔽物があるとそこで止まったり横に流れたり、跳ねたりしますよね。同じように、光がどこで止まってどこを抜けて、どう影が落ちるか、を考えながらセットを組みます。

たくさん撮影をしていると、光の通り方はある程度予測できるのですが、被写体によってそこから先にどういう変化が起きるのかは撮ってみないとわからないし、それが撮影することの面白さでもあります。

実際に撮ってみると『こういう風になるんだ!』という、毎回新鮮な驚きがある。それが楽しい」

商品写真の美しさはどこから生まれるのか。

「人間の目って、特にグラデーションに反応するんですよ。商品を撮る時は特に『美しさをどう上手く捉えるのか』を考えます。

花びらのカットも『引き込まれる理由』があるんですよ。花びらの重なったグラデーションとか、光の落ち方や形状だったり…。その要素が積み重なっていくと、頭で想像した絵よりも美しくなるんです」

 

クリエイティブチーム:
フォトグラファー:Fumito Shibasaki(DONNA)
インタビュー:坂田 大作(SHOOTING 編集長)
BTS 写真:谷川 淳

Web マガジン SHOOTING(シューティング)インタビュー記事より抜粋。

執筆者:: Profoto Japan

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