広告やエディトリアル撮影で活躍中のフォトグラファー ケイ・オガタ氏が、Profoto Connect ProとPro-11を使って、モデルの冨永愛を撮影。オガタ氏のインプレッションをご紹介します。
衣装提供: ALAÏA(Richemont Japan ALAÏA)
「今回は『モード写真』というくくりです。モード写真はあくまで洋服が主役で、洋服を着た女性なりモデルを撮るわけです。その洋服をいかにカッコ良く見せるか、というのがモード写真で、服飾デザイナーのメッセージを伝えたいんです」
メインライトは、左サイドトップから ソフトライトリフレクター ホワイト にグリッドを取り付けたライト1灯を照射。足元にかけては露出が落ちていく。
「この衣装は、膝から下のディテールが特徴的で強いデザインなので、上半身にメイン光を当てて、下半身は成り行きで露出を落とし、全体のバランスをとっています」
「こちらは洋服を見た時に、まず『座りポーズ』をイメージしました。背景のライトは、布バックの後ろにバウンスと直射で2灯、さらに被写体に向けてもう1灯直射して肩の部分へハイライトを加えています」
衣装提供: ALAÏA(Richemont Japan ALAÏA)
「座っているので ビューティーディッシュ ホワイト(ソフトライトリフレクター ホワイト)の光源が全体に当たっていて、網目衣装のコントラストを際立たせています」
「Connect Pro は非常に便利です。A〜Fまでグループで出力調整できるので『奥の右サイドを5にして、左は7にして』とか、光量の数値を手元で見ながら光を作れるのがいい。
Connect Pro のダイヤルで数値を変えると、リアルタイムでジェネの数値が連動していました。これならライティングを詰めていく効率もあがるでしょうね」
ライカS3に付けたConnect Pro。光量を変えると、Pro-11の数値もリアルタイムで同調するので、タイミングを逃さず撮影に入っていける。
「Profoto Control」アプリからも出力を調整できる。スマートフォン(iOS/Android)、iPad、Mac(Macは2022年内に対応開始予定)から利用することが出来るので、様々な現場のニーズでも柔軟に撮影を進められる。
衣装提供: ALAÏA(Richemont Japan ALAÏA)
「このカットはファクトリーっぽさとか、撮影現場の感じを出しました。奥行きを曖昧にしたくて、後ろにスモークを焚いて左右に2灯、逆光を入れています。
Connect Proを使えば、メインライトとの光のバランスもとりやすい。逆光はモデルやケーブルにも当たってくるので少しアウトラインが出てきます」
メインは左側から1灯、ビューティディッシュ ホワイトにグリッドをつけて当てている。
「光」を見る眼はどうやって養えばよいのか。
「スナップを撮ること。スナップって、その人が感じたものを撮るわけじゃないですか。例えば、別の人が自分と同じ道を歩いていても感じる事が違うわけじゃないですか。オリジナリティの元って、スナップにあるんじゃないかと。
衣装提供: ALAÏA(Richemont Japan ALAÏA)
「街中を歩いている時に、すごくカッコいいビルにキレイな光が射していて『カッコいいな〜』と思ってスナップを撮るじゃないですか。
もしくは歩いている人のちょっとした表情、キレイだけじゃなくてちょっとした仕草の時に『表情ってこんなに変わるんだ』と、気付いたり…。スタジオ撮影は全てを作り込んで撮っていく作業だけれど、そういう外の光の印象とか、人の表情とかの記憶が活きてきます」
クリエイティブチーム:
フォトグラファー:ケイ・オガタ(No.2)
モデル:冨永 愛(UNDER GROUND)
スタイリスト:飯田 珠緒
ヘア:Hiroki Kitada
メイク:KOTO(united lounge)
レタッチ:Hiroki Sato
インタビュー:坂田 大作(SHOOTING 編集長)
BTS写真:中西 太河
Webマガジン SHOOTING(シューティング)インタビュー記事より抜粋。