Pro-10が捉える「和」のイメージ | Profoto (JP)

Pro-10が捉える「和」のイメージ

03 7月, 2017

執筆者:: Erina Hayashi

Profotoが誇る最新のハイエンドジェネレーターPro-10は、世界最速のストロボです。最高1/80,000秒の革新的な閃光時間と、最高秒間50回の高速連射を特長としています。東京を拠点に活躍するコマーシャル・フォトグラファーの富取正明氏が、Pro-10を使い、日本人として「和」を意識したファッションフォトを撮り下ろしました。写真表現の世界を広げるPro-10の可能性と魅力を紹介します。

ストロボを選ぶとき、特に注目するのは閃光速度であると富取氏は言います。「写真の表現は僕の中では、「ブレとボケ」なんです。最初にまず考えることは、どこまでフォーカスを合わせて、どこまでぼかすか。ボケの美しさとフォーカスが合っている所のバランスが写真の美しさだと思っています。次に時間。何分の1秒で止めるのかブラすのか。 体は止まっているけど手先だけブラすとか。 絞りという奥行きとどれだけの時間を入れ込むのか、僕はそれが写真を作っている全ての要素だと思っています。 平面ではなくて、BOX(立体)で見たものを切り抜いている感覚ですね。そのため閃光速度には興味があります」

初めてPro-10を使った感想を聞くと、富取氏はこう振り返りました。「いいですね。閃光スピードが速い。僕にとっては特にそこが大事なので。光質はなんとでも調整できますからね。雨がこれだけ止まるのはすごいと思う。『安心感』これが一番大きいです」

富取氏はブレの美しさにこだわっています。「フィルムの頃って、銀塩粒子のおかげでブレがそんなに気にならなかったんです。デジタル (ピクセル) になって、ブレが少し汚いんですよね。昔はブレが美しい表現だったのに、ブレがあらになってきてる。ランダムな銀塩粒子か四角のピクセルの違いとしか思えないのだけど...。A4サイズのプリントではわからないですが、僕らがやっている仕事は大きなポスターサイズなので、『ブレの美しさ』にはすごくこだわっています」

今回の写真のコンセプトは、「日本人が撮る『和』をテーマにした、ストロボの性能を活かしたファッション」でした。

「僕がファッションでヨーロッパに対峙するのであるならば、『和』でなければならない。Pro-10で撮影された海外の写真もたくさん出ていますが、自分がそこで勝負するための作品を作りました。

日本人モデルを使い、見た人がはっとする美しい絵を撮りたい。そこに『雨』というのは、ストロボのテストという意味も含め、いい設定だったと思います」

通常雨をイメージする時、多くの人が頭に思い描くのは、点ではなく線で滴り落ちる水の様子かもしれません。もちろん、Pro-10のように雫を一粒ずつ止められる性能を持つストロボであれば、逆に『線』にすることもできます。しかし、今回富取氏は雨を細部まで捉え、雨粒として表現することを選びました。

「どちらのイメージが雨らしいかというと、みんなのイメージは『線』だと思う。雨の表現をするなら、そちらを選ぶのだけど、今回は『どこまで止まるのか』を見たかったので、これは一つの表現としていいものが出来たと思っています」

撮影時、スタジオアシスタントはPro-10を初めて使いましたが、箱から取り出してすぐに使いこなしていたようです。「Profotoの一番素晴らしい所はそこで、操作がシンプル。他社はちょっと複雑なのもあるけれど、それに比べるとProfotoはすごく簡単です」

デジタルカメラの高感度特性が良くなり、照明機材をあまり使わないフォトグラファーも増えています。しかし、プロの圧倒的な技術とセンスを見せつけるべきだと富取氏は力説します。

「デジタルの時代になって写真は誰でも撮れて楽しめます。加工も簡単にできて、今は最高にいい時代だと思います。しかし、ただ僕はプロなので、そことは違う『圧倒的なプロの力』を見せたいと常に思っています」

この文章は、写真誌『SHOOTING』に初出の記事からの抜粋です。

記事の全文はこちらからご覧ください。

執筆者:: Erina Hayashi

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