商品写真のライティングの基礎:革製品の撮影 | Profoto (JP)

商品写真のライティングの基礎:革製品の撮影

04 3月, 2021

執筆者:: Profoto Japan

消費者のオンラインシフトから、オンラインショップやソーシャルメディアで商品の魅力を消費者に伝える商品写真の需要が高まる昨今。手軽にハイクオリティな商品写真を撮影するためのライティングの基本的な考え方を、初心者向けにシリーズでお伝えする。

今回は、革バッグと革小物の商品写真のライティングについて解説する。

深緑色の革のハンドバッグの撮影からスタート。

ここではハイライトのコントロールがしやすい長方形型のソフトボックスをメインライトに使ってライティング。

OCF ソフトボックス 60x90cm を取り付けた Profoto B10 をメインライトとして、バッグのサイドから照射した。

B10 のモデリングランプをつけて、ハイライトをバッグの前面のどの範囲までどう入れるかを目視で確認しながら、ソフトボックスの位置を念入りに調整した。下のアクリルボードでの反射を抑えるために、ソフトボックスを若干上に向けた。

ここに、OCF II グリッド 20度を取り付けた Profoto B10 を後ろの白壁に向けて照射することでバックライトを加えた。

さらに、リフレクター ホワイト/ブラック M のホワイト面をバッグの右側において、バッグの右サイドの影を起こした。

仕上がった写真が下のもの。サイドから光を当てることで、革の凹凸に陰影がつき、立体的に描き出すことができた。

バッグ表面の白っぽく見える部分全てがハイライトで、ソフトボックスの光が、革の表面に映り込んでいるもの。

この白い部分、すなわちハイライトをどのように入れるかによって、商品写真の印象が大きく変わってくる。モデリングランプを活用しながら、ハイライトのコントロールに着目して、注意深くライトの位置を調整することがポイントになる。

同じライティングでクローズアップショットも撮影した。革の凹凸が美しく描き出されている。

次に、フォルムが美しい黄色のショルダーバッグを撮影した。

メインライトのソフトボックスに、グリッドのバックライトを加え、メインライトの逆側を白レフで起こすという、先ほどの深緑色のハンドバックとほぼ同じライティングで撮影した。

ここでもバッグの前面のどの位置までハイライトを入れて、どこからシャドーを落とすかに着目して、メインライトのソフトボックスの位置を調整した。

革の質感と美しいフォルムがしっかり伝わる魅力的な商品写真に仕上がった。

同じライティングのまま撮影したクローズアップショットが下のもの。長方形型ソフトボックスを使っているため、バッグの垂直ラインに沿ってハイライトが美しく入っていることがよくわかる。

最後に、ベルトや靴などの革小物のイメージカットの撮影を紹介する。

ここでは光沢のある革小物を印象的に描き出すために、アクセサリーなしの Profoto B10 1灯を直接照射して、硬い光でライティングした。

香水瓶からベルト、靴の爪先にかけての一直線に目線を誘導するように、上下の光をリフレクター ホワイト/ブラック Mと黒画用紙で切った。

ハイライトのコントロールと同様に、シャドー部分のコントロールは写真の印象を大きく変える大切な要素。レフ板や画用紙をフラグとして使って光を切ることでシャドー部分を簡単にコントロールできる。

ここではさらに、白い靴とベルトの金具のハイライトを目立たせるために、白紙で光を起こした。

仕上がった写真が下のもの。靴に落ちるベルトの影の硬さを見るとよくわかるが、夏の日の直射日光のような光が感じられる、クリアな印象のイメージカットに仕上がった。

ちなみに比較用に、画面下側の光を切った黒画用紙なしの撮影結果が下の写真。左下の白い花の部分の明暗差で、フラグの効果がよくわかる。

今回は、光源の映り込みであるハイライトのコントロールと、光源からの光を遮ることによるシャドーのコントロールに着目して解説した。商品写真の撮影にぜひ役立ててほしい。

撮影チーム:
フォトグラファー SHUN
スタイリスト 篁 大輔
BTSフォトグラファー 谷川 淳
衣装協力 yohaku

執筆者:: Profoto Japan

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