このコラムでは、Profoto A1Xを使用してストロボで自然な写真を撮影する基本的な方法についてご紹介します。やわらかい光や硬い光を演出したいときのカメラとストロボの設定方法から、目的に応じて光に方向性をもたせる方法、カラーフィルターの創造的な使い方まで。
4つのショートビデオの中で、ウェディングとポートレートのフォトグラファーであるPaul Von Rieter に、Profoto A1Xを使用して説明してもらいます。
チュートリアル 1
フラッシュ撮影のはじめ方
ステップ 1まずはカメラの設定から
絞りを設定して、写真の被写界深度を決めます。これはベースとなる設定なので、写真の被写界深度を本当に変えたいと思ったとき以外、変更するべきではありません。上の写真では、Paulは被写界深度を浅くするため、絞りを2.0に設定しました。
典型的な「ストロボ写真(背景が暗く、人物がストロボの強すぎる光で照らされたもの)」を避けるために、シャッタースピードを変えることで、より多くの環境光を取り入れます。上の写真では、Paulは背景の空と海が十分に明るくなるよう、シャッタースピードを1/500秒に設定しました。
さらに光を取り込みたい場合、シャッタースピードが遅すぎると、被写体の動きを止めることができません。その場合は、シャッタースピードの代わりにISO値を上げましょう。
カメラの設定が決まれば、次はいよいよストロボです。
ステップ 2ストロボの導入/TTLかマニュアルを選択
どんなときにTTLあるいはマニュアルモードを選択するべきなのでしょうか?これもフォトグラファーであるあなた次第ですが、いくつかのヒントを紹介します。
TTL自動調光(オートモード)
TTLがカメラと通信し、周囲の環境光に応じてストロボの出力レベルを自動的に変更します。これにより、被写体がどのように動いても、ストロボの露出を均一に保てます。
理想的なシチュエーション
- 被写体が動き回っているとき(イベントや結婚式のダンスフロアでの撮影や、走り回る子どもの姿を捉えたいときなど)
- 最適なストロボ発光量を気にせず、自動的に調整してほしいとき
マニュアルモード
マニュアルモードでは、ストロボ発光量はあなたが設定した通りに保たれます。カメラのマニュアルモードと同じように、フォトグラファーがストロボを自由にコントロールすることができます。
理想的なシチュエーション
- 環境光が一定で、ストロボを細かく調整し直す必要がないとき
- モデルとストロボの距離が一定のとき
- すべてを自分でコントロールしたいフォトグラファーに
ヒント
- ストロボが必要になったとき、カメラのフラッシュ補正を調整して(TTLモード)、あるいはProfoto A1Xのホイールを回して(マニュアルモード)調整できます
カメラの設定で背景の露出を決め、ストロボを適切に設定したら、撮影スタートです!
チュートリアル 2
やわらかい光と硬い光を演出する方法
要約
やわらかい光とは、影のエッジ(暗い部分と明るい部分の間の境界)がなだらかであることを指す用語です。やわらかい光になるほど、影は薄くぼやけたものになります。硬い光はその反対で、くっきりとした濃い影が出ます。やわらかい光は大きな光源から作られ、硬い光は小さな光源から作られます。
Profoto A1Xを使ってやわらかい光を演出する方法
Profoto A1Xを使ってやわらかい光を演出するにはいくつかの方法があります。最も簡単な方法は、白い壁や天井に光を当て、反射させることです。しかし、壁が黒いときや、屋外で撮影しているときなど、反射させるものがないこともあります。そういう場合は、代わりに以下の製品を使うことができます。
Profoto A1Xを使って硬い光を演出する方法
直射日光の当たる屋外撮影では、はっきりとした濃い影ができることに気づいている方もいることでしょう。その理由は、太陽は私たちのいる離れた場所から見ると、小さな光源であるからです。
小さいストロボの光を被写体に直接当てることで、太陽光のように強くて濃い影を生み出すことができます。
チュートリアル 3
オンカメラ・フラッシュの使い方
Profoto A1Xは360度回転するため、さまざまな方向に光を向けることができます。上の動画では、Paulがシチュエーションに合わせて異なる撮影をしながら、Profoto A1Xオンカメラでの使い方3通りご紹介しています。
被写体に直接光を当てる
理想的なシチュエーション
- 簡単でスピーディなポートレート
- 動いている人を撮りたいとき
- 屋外にいるときの補助光として
ヒント
- 被写体が動いているときは、TTL自動調光モードの使用をおすすめします
光を天井に反射させる
理想的なシチュエーション
- やわらかい光を演出(天井に反射させることで光源が大きくなります)
- 撮影場所に白い天井があるとき(他の色の天井では不要な色かぶりが生じる可能性があります)
ヒント
- モデルの瞳にキャッチライトを入れたいときは、Profoto A1Xにバウンスカードを装着してください
- ストロボの光が確実に天井に当たり、しっかりと跳ね返っていることを確認してください
- 天井が高すぎる場合は、ストロボの向きを変更しましょう
光を壁に反射させる
理想的なシチュエーション
- 天井が白ではないときに、やわらかい光を演出する
- サイドライトと影の方向を演出する
ヒント
- ストロボの光が確実に壁に当たっていることを確認しましょう壁から離れすぎているときは、ストロボの位置を変えたほうがいいでしょう
- 近くに壁がないときは、Profoto 折り畳み式リフレクターでもサイドライトを演出できます
チュートリアル 4
カラーフィルターの演出術
これまでに、カメラとストロボの設定方法、やわらかい光と硬い光を演出する方法、ストロボの光の3通りの向け方を学びました。
クリエイティビティを発揮するのはここからです!
自然光で撮影してきた方なら、きっとゴールデンアワーやブルーアワーの撮影は好きですよね。その光は、本当にすばらしいものです。しかし、自然光は予測しにくく、コントロールできません。ストロボがあれば、1日のうちいつ撮影しようとも、こうした光を再現できます。
ゴールデンアワーの光の作り方
太陽が沈む前のひととき、温かなオレンジ色の光が現れます。
ストロボでの再現方法
ステップ 1
Profoto A1Xをスタンドに設置し、モデルの背後に立てます(動画では、PaulはManfrottoのナノポールスタンドを使用しています)
ステップ 2
Profoto A1XにProfoto Clic カラーフィルター フル CTOを装着し、背景に温かな光を加えます
ステップ 3
カメラとストロボをワイヤレスで接続するには、カメラのホットシューにProfoto Connectなどのリモートコントロール機器をつけてください
ヒント
- ストロボの位置を変えて、”太陽”が欲しい場所ちょうどに光を当てます
- 光が強すぎる、あるいは弱すぎると感じたときは出力量を調整してください
ブルーアワーの作り方
日の出前や日没後、冷たいブルーの光が現れます。
ストロボでの再現方法
ステップ 1
カメラの色温度(ケルビン)の設定を4000以下にし、ブルーアワーの雰囲気に似た冷たい色の背景を作ります
ステップ 2
Profoto A1XにProfoto Clic CTOカラーフィルターを装着させ、モデルの顔の色合いをニュートラルにします
ストロボの使用についてのさらなるヒントやテクニックは、Profoto Academyをご参照ください
Profoto A1Xの使い方についての簡単なイントロダクションは役に立ちましたか?目的に応じたさらなるヒントやテクニックを知りたい方は、Profoto Academyをチェックしてください。