Hélène Pambrunは、印象的なポートレートを撮ることで有名なフランス人のポートレート/プレスフォトグラファーです。Harry Stylesのパーソナルツアーフォトグラファーを務めるほか、Dua Lipa、Ed Sheeran、Ben Harper、Tony Bennettなどのセレブリティも撮影してきました。 クローズアップインタビューを通して彼女のポートレート撮影術を学び、有名なフランス人シンガー Gaël Faureの撮影の舞台裏を覗いてみましょう。
Hélèneのポートレート撮影術
あなたについて教えてください。Hélène Pambrunとは?
趣味が高じて、プロのフォトグラファーとなって10年。故郷であるフランスのトゥールーズで、カメラの機材を扱う店で働き始めたのがきっかけです。その店で機材に夢中になり、お金を貯めて初めてプロフェッショナルなカメラを購入しました。それ以来、手当たり次第に撮影するようになったのです。結婚式、コンサート、ポートレート。何でも撮りましたね。そんなある日「Paris Match」という有名なフランスの雑誌の編集長から連絡が来て、ライターやシンガーを撮影する仕事をもらえるようになりました。その頃からずっとポートレート撮影を続けています。
ポートレートの撮影で最も大切にしていることを3つ挙げてください。
- 私はいつも目にフォーカスしています。技術的にも、被写体のエネルギーを捉える意味でも。目は顔の中で一番見る者に語りかける部分だからです。
- それから、直感に従うこと。クレイジーなアイデアでも、まずはやってみてください。自然に湧いてきた直感をあなた自身が信じれば、被写体のモデルもきっと信じてくれます。
- そして、シンプルにすること。ふとした視線の強さや、老人の肌のシワ。こうした細かい、シンプルなディテールがパワフルなポートレートを生みます。
撮影中、モデルにうまく指示したり、リラックスしてもらったりするためのコツはありますか?
頑張りすぎないことです。たとえ撮影時間が短くても、フォトグラファーはできるだけ落ち着いてリラックスしていることが重要です。あなたのムードが周りにも伝わるからです。笑顔でいることや、モデルの気持ちをやわらげる声かけをすることは、リラックスした良い関係を築くコツの一つです。音楽が場を和ませてくれることもあるので、試してみてください。でも、あまり頑張りすぎても、モデルとのひとときを楽しみ、クリエイティブな撮影をすることができなくなってしまいます。だから、考えすぎないことです。昔、父にもよく言われました。
フラッシュを使い始めたいきさつを教えてください。また、なぜ使おうと思ったのでしょうか?
たいていの人がそうだと思いますが、最初は私も自然光だけを使って撮影していました。ときどき小さなLEDライトを用意していたのですが、役には立ちませんでしたね。そうしたら、仕事をしていた雑誌の編集者に聞かれたのです。「Hélène、いつになったらフラッシュの使い方を覚えてくれるの?」と。それでようやく、どんな場所や光の条件下でも撮影できるようにならないといけない、と自覚しました。プロとして撮影するなら、自然光だけに頼るのは危険です。仕事で撮影しているのに、どんな写真になるか自分でもわからないからです。そこで、ある友人にフラッシュの使い方を教えてもらいました。実はそのとき使わせてもらったフラッシュが、Profoto AcuteB 600Rでした。すごく気に入ったので、自分でも中古で購入しました。それ以来、たくさんのProfoto製フラッシュを購入して、旅のお供にしています。本当に頼りになるパートナーですよ。
最近では、シンガーソングライターのGaël FaureをProfotoの機材を使ってポートレート撮影しましたね。具体的には何を使ったのでしょうか。撮影はうまくいきましたか?
撮影に使ったのは、Profoto ConnectとA1X、それからアンブレラ ディープ ホワイト Mです。 快適に撮影できる上に、たくさんの機材を持ち運ばなくていいので、お気に入りの組み合わせです。コンパクトなA1Xはバッグに入れて簡単に持ち運べますし、アンブレラは文字通り1秒でセッティングできます。そしてこの2つを一緒に使って、イメージ通りのやわらかな光が演出できました。Profoto Connectで光をコントロールするのも、とても簡単です。オートモードに設定すれば、ショットごとに自動で適正露出に調整してくれるのです。
これからフラッシュを使い始める人にアドバイスはありますか?
Profoto ConnectとA1Xは、入門キットとして本当におすすめです。Profoto Connectをオートモードで使用すれば、細かな設定を気にする必要がありません。カメラのシャッターを切るだけで、すばらしい光が生み出されるのです。さらに魅力的なのは、慣れてきたら、マニュアルモードに切り替えて、いろいろなライティングを自由に試せることです。しかも、クリエイティブなポートレート撮影を可能にするA1X専用のライトシェーピングツールがたくさんあります。グリッド、カラーフィルター、アンブレラなどの充実したラインアップです。以前、ウェディングフォトグラファーをしていたときにこのツールがあれば、どんなに良かったでしょう!
Hélène PambrunによるGaël Faureのポートレート撮影
再現するための4つのヒント
セットアップ 1 – パーソナルな近影
Hélèneは最初の撮影でウィンドウライトのような自然に見える光を作りました。カメラポジションの左側からの自然光に加え、A1Xとアンブレラ ディープ ホワイト Mを同じく左側の、Gaëlのやや正面寄りの位置にセットしています。こうすることで、フラッシュ光と自然光が馴染み、自然光の影響で発生するGaëlの顔の濃い影を和らげることができるのです。
ヒント 1: 自然に見せるには、フラッシュ光と自然光の向きを揃える必要があります。そのため、Hélèneはアンブレラを自然光が差し込んでくる方向と同じ左側にセットしています。
ヒント 2: 光源が大きいほど、やわらかい光が作れます。だからこそ、HélèneはA1Xとともにアンブレラ ディープ ホワイト Mを使っています。フラッシュ光がアンブレラに当たり、やわらかな光となってモデルを照らします。これはアンブレラの面積がA1Xのヘッドよりも大きいからです。
カメラ設定:f1.2 1/400秒 ISO感度 400
フラッシュ設定:オートモード(TTL自動調光)
セットアップ 2 – 太陽光の再現
次の撮影では、A1Xをカメラポジションの右側にセットしてGaëlに向け、実際の環境にはなかった太陽光を再現しました。これによってGaëlを背景から引き立たせるとともに、背後の壁に美しい太陽の光の筋を生み出しています。
ヒント 3: 太陽の光の筋を演出する手段の一つとして、フラッシュとモデルの間に木の枝などの物を配置する方法があります。
カメラ設定:f1.4 1/1250秒 ISO感度 400
フラッシュ設定:オートモード(TTL自動調光)
セットアップ 3 – 動く被写体のライティング
ヒント 4: 動いている人物を撮影するときは、Profoto Connectをオートモードで使用しましょう。そうすれば、どんなにモデルが動き回っていても、ショットごとに自動で適正露出に調整されます。
カメラ設定:f1.4 1/1250秒 ISO感度 400
フラッシュ設定:オートモード(TTL自動調光)