光を切る | Profoto (JP)

光を切る

06 1月, 2021

執筆者:: Profoto Japan

通常四枚の羽状の扉で構成されるバーンドアは、光を切って方向を制限するのに便利なツールだ。

例えば、光源の右側に光を当てたくない場合、右側の扉を閉めて光を切って制限するなど、四枚の扉をまさにフラグのように活用できる。

光を切ることでどのような写真表現が可能になるのか、Profoto B10OCF II バーンドアを使った人物撮影からご紹介する。

まずは、被写体の右手側に自然光が弱く差し込む窓があるシチュエーションで、Profoto B10 1灯を加えて全身撮影を行った。

被写体の右手側高い位置に設置した Profoto B10 に OCF II バーンドアを取り付け、四枚の扉を閉じることで、被写体のみに光が当たるようにした。

ここでのポイントは、自然光と同じ方向からストロボを加えることと、光が天井や被写体の後ろ側に回り込んで不自然にならないようにバーンドアの扉を閉めることで、光の当たる範囲を制限したこと。

自然光のみで撮影

美しいショートライトを作り出し、1灯で十分に全身を描き出すことができた。

自然光に加えて OCF II バーンドアを取り付けた Profoto B10 を照射。

ちなみにグリッドでも光の照射範囲を制限することはできるが、光の性質が変わって硬くなってしまうため、光の性質を変えずに照射範囲を変えたい場合にバーンドアを活用するのがお勧めだ。

さて、OCF II バーンドアは、それ自体がグリッド&カラーフィルターホルダーになっていて、直接 OCF II グリッドOCF II カラーフィルターをマグネットでワンタッチで装着して、簡単に組み合わせて使えることも特長。

Profoto B10 に OCF II バーンドアと OCF II グリッド 10度を重ね付けして、トップライトとして被写体に照射した。

被写体の右手側に自然光が差し込む窓があるシチュエーション。

ストロボなし。

ここに自然光と同じ方向からストロボを加え、左右の扉を閉めたバーンドアでスリット状の光を作り出して、被写体の鼻筋のハイライトと頬にかけてのグラデーションを美しく入れた。

自然光に加えて OCF II バーンドアと OCF II グリッド 10度を取り付けた Profoto B10 1灯を照射。

バーンドアで光を切ると同時に、グリッドで硬い光を作り出した。そうすることで、やわらかい光の中にあえて硬い光を入れて違和感を出した。まさに私たちが普段よく目にしている性質の光の再現とも言える。世の中は、やわらかい拡散した光の中にも、様々な物体での乱反射の光に溢れているためだ。

さて、バーンドアはバウンス面を制限するのにも有効だ。

窓を背にして座っている被写体を自然光のみで撮影すると当然逆光になる。

ストロボなし。

ここに被写体の左手側の壁に向かって、OCF II バーンドアを取り付けた Profoto B10 を照射し、壁バウンスで仮想の長方形の窓を作った。

自然光と美しく混じる綺麗なショートライトで被写体を描き出すことができた。

バーンドアなしでの壁バウンスでは光が全体に回ってしまうが、バーンドアをつけてバウンス面を長方形に制限したことで、やわらかくはありながらも方向性のある光を被写体に照射することができた。

同じく長方形の窓の光を模倣する長方形型のソフトボックスの代わりに、バーンドア+壁バウンスで仮想の窓を作るのも、色々な場面で活用できるかもしれない。

自然光に加えて OCF II バーンドアを取り付けた Profoto B10 を壁バウンスで照射。

バーンドアのバウンスでの活用例をもう一つご紹介する。

バウンス面を大きくするためには、光源とバウンス面の間の距離を長く取る必要がある。「バウンス面の壁、光源、被写体」という位置関係が許されない狭い場所での撮影の場合、「バウンス面の壁、被写体、光源」のように、被写体を超えた位置に光源を置く必要が出る。この際に注意する必要があるのが、被写体に光源からの直接光が当たってしまうことだ。この直接光を切るためにバーンドアを活用した。

OCF II バーンドアと OCF II グリッド 20度を取り付けた Profoto B10 を被写体の左手前側に置いて、被写体の右手前側に立てたリフレクター ホワイト/シルバー Mのシルバー面に向かって照射して、バウンス光を作った。

さらに、被写体の背後からは、夕陽を再現するため、OCF II グリッド&フィルターホルダーOCF II カラーフィルター フル CTO を取り付けた Profoto B10 を加えている。

ストロボなし。

バーンドアの被写体側と上下の扉を閉めて、さらにはグリッドを加えることで、被写体への直接光が漏れないようにすると同時に、天井や床への光も切って制限した。そうすることで、被写体の右手前側からバウンスで方向性がありながらもやわらかい光を当てて、美しいグラデーションで描き出した。

また、バックライトで夕陽を演出し、髪の毛に美しいハイライトを入れた。

バックライトとして OCF II グリッド&フィルターホルダーと OCF II カラーフィルター フルCTOを取り付けた Profoto B10、メインライトとして OCF II バーンドアと OCF II グリッド 20度を取り付けた Profoto B10 を、リフレクター ホワイト/シルバー M のシルバー面で反射させて加えた。

最後にビューティーライティングでのバーンドアの活用例をご紹介する。

トップライトとして、OCF II バーンドアと OCF II グリッド 10度を取り付けた Profoto B10 を、被写体の顔上部から照射した。

さらに、OCF II グリッド&フィルターホルダーと OCF II グリッド 20度を取り付けた Profoto B10 をリフレクター ホワイト/シルバー M のホワイト面に対して照射し、下からの光を加えた。

上下から挟むいわゆるクラムシェルライティングで、被写体を艶やかに美しく描き出した。

鼻筋の美しいハイライトと頬の緩やかな美しいグラデーションに、トップライトのバーンドアの左右の扉を閉めてスリット状の光を作った効果が出ている。バーンドアにグリッドを取り付けているので、硬めの光にもなって、しっとりとした雰囲気の中にも艶感やメイクの色がしっかり出ている。

バーンドアの四枚の扉の開閉で「光を切る」ことで可能になる様々な表現にぜひ挑戦してみて欲しい。

撮影チーム:
フォトグラファー SHUN
モデル COLETTE(フォリオマネジメント)
スタイリスト 谷川 夢佳
ヘアメイク 本間 ひとみ
BTSフォトグラファー 谷川 淳
衣装協力 N_DRESS

 

 

 

執筆者:: Profoto Japan

このストーリーで使用された製品

OCF II バーンドア

光を精確にシェーピングする。
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